Hyper-V Server 2008 R2 の環境を構築する

対象プロダクト:HyperV Server 2008 R2
カテゴリー:仮想化技術

Hyper-V Server 2008 R2 をインストール

物理マシンに物理ディスクもしくは VHD ブート等で Hyper-V Server 2008 R2 をインストールします。
※Hyper-V の仮想ディスクは物理ディスク上に作成する必要があるため、複数の物理ディスクを接続したマシンへの導入をお勧めします。

以下の ISO ファイルをダウンロードして DVD メディアを作成します。
マイクロソフト公式ダウンロード センターから MicrosoftR Hyper-V? Server 2008 R2 をダウンロード

※VHD ブートでのインストール方法はこちらの記事をご参照ください。
Windows Server 2012 を VHD ブートでインストールする

Hyper-V Server 側の設定

Hyper-V Server のインストール直後は大抵の場合、NIC のドライバがインストールされていません。
そのため、NIC のドライバ(Windows 7 64bit 版のものでOK)を Windows 7 上でダウンロードしておき、Hyper-V サーバからインストールを行います。

NIC ドライバのディレクトリに移動し、pnputil コマンドで inf ファイルを指定してインストールします。

pnputil -i -a d:NIC_Driverxxxxx.inf

NIC が認識されれば、sconfig で以下を設定します。
===============================================================================
                         サーバー構成
===============================================================================

1) ドメイン/ワークグループ:                     ワークグループ:  WORKGROUP
2) コンピューター名: //任意のコンピュータ名を設定します。
3) ローカル管理者の追加 //Hyper-V マネージャーからアクセスするユーザーを登録します。
4) リモート管理の構成 //後述します。

5) Windows Update の設定: //自動に変更します。
6) 更新プログラムのダウンロードとインストール
7) リモート デスクトップ: //有効 (すべてのクライアント)に変更します。

8) ネットワーク設定 //NICを選択し、必要に応じてIPアドレスやDNSを設定します。
9) 日付と時刻 //初期設定のNTPサーバが設定されています。
10) ログイン時にこのメニューを表示しない
11) フェールオーバー クラスタリング機能

12) ユーザーのログオフ
13) サーバーの再起動
14) サーバーのシャットダウン
15) 終了してコマンド ラインに戻る

選択するオプションの番号を入力してください:


※ローカル管理者の追加については、Hyper-V マネージャーを使用するクライアントマシン側のユーザーを登録します。

さて、Hyper-V マネージャーを使用するためにはリモート管理の構成が必要です。
1?3まで、すべての設定を有効にします。

--------------------------------
  リモート管理の構成
--------------------------------

1) MMC リモート管理を許可する //有効にします。
2) Windows PowerShell を有効にする //有効にします。
3) サーバー マネージャーのリモート管理を許可する //有効にします。
4) Windows ファイアウォール設定を表示する

5) メイン メニューに戻る

選択するオプションの番号を入力してください:


4のファイアウォールの設定は以下のようになります。

--------------------------------
  リモート管理の構成
--------------------------------

1) MMC リモート管理を許可する
2) Windows PowerShell を有効にする
3) サーバー マネージャーのリモート管理を許可する
4) Windows ファイアウォール設定を表示する

5) メイン メニューに戻る

選択するオプションの番号を入力してください: 4

パブリック プロファイル 設定:
----------------------------------------------------------------------
State                                 オン
Firewall Policy                       BlockInbound,AllowOutbound
LocalFirewallRules                    N/A (GPO ストアのみ)
LocalConSecRules                      N/A (GPO ストアのみ)
InboundUserNotification               無効
RemoteManagement                      有効
UnicastResponseToMulticast            有効

ログ:
LogAllowedConnections                 無効
LogDroppedConnections                 無効
FileName                              %systemroot%\system32\LogFiles\Firewall\pf
irewall.log
MaxFileSize                           4096

OK


「6) 更新プログラムのダウンロードとインストール」 から利用可能なすべての更新プログラムをインストールします。
これで Hyper-V Server 側の設定は完了です。

クライアント側の設定

Hyper-V マネージャーのインストール

クライント側のマシンに Windows 7 用 Hyper-V マネージャーをインストールします。
Windows 7 Service Pack 1 (SP1) 用のリモート サーバー管理ツール

[コントロール パネル] の [プログラムと機能] を開き [Windows の機能の有効化または無効化] をクリックし、[リモート サーバー管理ツール] > [役割管理ツール] > [Hyper-V ツール] にチェックを入れ、[OK] ボタンを押すと Hyper-V マネージャーがインストールされます。
[すべてのプログラム] > [管理ツール] > [Hyper-V マネージャー] より起動できます。

Hyper-V ツールの追加

Hyper-V Server のホスト名の名前解決

次に、名前解決のために、hosts に Hyper-V Server のIPアドレスとホスト名を登録します。
※なお、先に現在ログインしているユーザーに hosts ファイルに対する書き込み権限を与えておく必要があります。

C:windowssystem32driversetchosts

形式:
IPアドレス     ホスト名


Hyper-V マネージャーを起動し、Hyper-V Server のホスト名を指定して接続します。

エラー対処1「このタスクを完了するために必要なアクセス許可がありません」

もし、「このタスクを完了するために必要なアクセス許可がありません」というエラーが表示された場合は、Hyper-V Server 側の管理者としてクライアント側のユーザーが登録されているかを確認してください。

なお、Hyper-V Server 2008 は初期設定ではパスワードのポリシーは厳し目になっていますので、緩くしたい場合は以下の手順でセキュリティポリシーを変更します。

1.セキュリティポリシーをエクスポートします。

secedit /export /cfg secedit.cfg /log secedit.log /areas SECURITYPOLICY

2.メモ帳でエクスポートしたsecedit.cfgファイルを開き、以下のように PasswordComplexity の値を「0」に変更します。

notepad secedit.cfg

[System Access]
PasswordComplexity = 0


3.編集したsecedit.cfgファイルのセキュリティポリシーを適用します。

secedit /configure /db secedit.sdb /cfg secedit.cfg /log secedit.log

エラー対処2「アクセスが拒否されました。xxxとxxxとの間の通信を確立できません。」

また、「アクセスが拒否されました。xxxとxxxとの間の通信を確立できません。」と表示される場合は、以下を設定します。
1. [管理ツール] > [コンポーネント サービス] を開きます。
2. [コンポーネント サービス] > [コンピュータ] > [マイ コンピュータ] を右クリックしてプロパティを開きます。
3. [COM セキュリティ] > [アクセス許可] で [制限の編集] を開き、ANONYMOUS LOGON の [リモート アクセス] 欄の [許可] にチェックを入れて保存すれば、接続が確立できるようになるはずです。

「このサーバーに仮想マシンは見つかりませんでした。」と表示されれば Hyper-V Server への接続は成功です。

このサーバーに仮想マシンは見つかりませんでした

公開日時:2014年02月02日 12:50:21

おすすめの書籍!
Windowsに詳しくなりたい方はマイクロソフト公式解説書である「インサイドWindows 第7版」がお勧めです。Windowsのアーキテクチャや内部構造の仕組み、背後で動作するコアコンポーネント等について詳細に解説されています。「Windows Internals, Seventh Edition」の日本語訳版です。

なお、Windows Server VPS選びで迷ったらこちらの記事で主要VPSのメモリ容量ごとの月額、年額料金、リモートデスクトップ(RDS SAL)、Microsoft Office SAL料金を比較していますので、是非参考にしてみてください。

Windows技術情報の一覧に戻る

「仮想化技術」に関する他の技術情報

このページのトップに戻る