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第14回:GUI を刷新した Windows Vista の登場

対象プロダクト:Windows Vista

Windows Vista の概要

2007年1月30日に Windows Vista(コードネーム Longhorn)がリリースされました。
Windows Vista の目玉は、Mac に遅れを取っていた GUI を Windows Aero というウインドウをガラスのように透過させる機能の実装により刷新した点でした。

また、ユーザーアカウント制御や、Windows Defender の搭載により、セキュリティ面でも強化を図りました。

なお、Win32 に代わる新たな API である WinFX の導入は方針転換し、WinFX は .NET Framework 3.0 として実装されました。
そのため Win32 は存続しました。

しかしながら、Windows Aero のために Desktop Window Manager (DWM) と Windows Display Driver Model (WDDM) を実装し、WDDM によるデスクトップの描画 (GDI) をユーザーモード側に委ねた事が Windows Vista の運命を決定づけました。
処理をユーザーモード側で実行することは、堅牢性 (OSをクラッシュさせない) の向上という意味ではメリットがありますが、その反面実行速度を犠牲にします。

これが裏目に出て、Windows Vista はもっさりとした重い OS となってしまい、移行があまり進みませんでした。

なお、次の Windows 7 では WDDM バージョン 1.1 が実装され、GDI の処理がカーネルモード側に戻されています。

Windows Vista のシステム要件

推奨要件

CPU 1 GHz 32 ビット (x86) または 64 ビット (x64) のプロセッサ
メモリ 1 GB のシステム メモリ (Home Basic の場合は 512 MB)
ハードディスク 15 GB の空き領域がある 40 GB のハード ドライブ (Home Basic の場合は 20 GB)
グラフィック WDDM および 128 MB (Home Basic の場合は 32 MB) のグラフィック メモリによる DirectX 9 グラフィックのサポート
光学ドライブ DVD-ROM ドライブ
サウンド オーディオ出力
その他 インターネット アクセス

最低要件

メモリ 800 MHz のプロセッサおよび 512 MB のシステム メモリ
ハードディスク 15 GB の空き領域がある 20 GB のハード ドライブ
グラフィック Super VGA グラフィックのサポート
光学ドライブ CD-ROM ドライブ

Windows Vista のパッケージの中身

Windows Vista は Microsoft 社が長かった Windows XP 時代の次の OS として満を持して出した OS です。
そのためか、化粧箱はプラスチック製になり、中身は右下が起点になり右にスライドするように開くなど、少し凝った作りになっています。
マニュアルも Windows にしてはやや厚めです。

パッケージ表
パッケージから DVD-ROM を出したところ

更に、下側には見開きで製品の紹介欄もあります。

パッケージ下側の製品紹介欄

Windows Vista の主な特徴

Windows Vista からインストール時のプロダクトキーの入力が省略可能になり、Windows をインストール後、コントロールパネルの [システム] から登録、ライセンス認証ができるようになりました。
また、1つのインストール DVD-ROM にすべてのエディションのインストールデータが含まれており、インストール時に登録したプロダクトキーから、エディションを判別するようになっています。
なお、プロダクトキーを登録せずにインストールした場合、任意のエディションを選択でき、試用版としてインストールされます。
但し、持っているエディションのプロダクトキーと異なるエディションを選択してインストールした場合、後からプロダクトキーが登録できないため、Windows Vista の再インストールが必要になります。
また、Windows Vista からはアップグレード版では DVD-ROM から起動してのクリーンインストールが行えなくなりました。(Windows XP 以前ではアップグレード対象のメディアを挿入することで認証が行えていました)
そのためアップグレードを実行する際には必ずアップグレード対象の Windows 上からセットアップを実行する必要があります。

Windows Vista は GUI だけではなく、機能面でも大きく刷新されました。 例えばエディションの統合が挙げられます。
Windows XP ではそれぞれ別のエディションだった、Media Center Edition、Tablet PC Edition が統合され、更には x64 エディションは Ultimate 以外は郵送という形ですが、送料を除けば無料提供されるようになりました。(Ultimate は 32bit 版と 64bit 版 DVD-ROM の2枚入り)
※Media Center Edition については Business には付属していません。

また、Windows Aero を筆頭に OS の「美しさ」にこだわった Windows Vista ですが、その1つとしてフォントも「メイリオ」(Meiryo) が搭載され、メニューやファイル名の文字表示がより美しくエレガントになりました。
但しこのフォントも Mac OS のフォント表示の美しさをかなり意識したものと考えられます。

更にセキュリティ面では「ユーザーアカウント制御」(UAC)と呼ぶ特別な保護モードを搭載しました。
これはユーザーレベルでの権限をより厳格に管理するための機能で、同機能が有効である場合、標準ユーザーではシステムに影響を及ぼすような操作がほとんど行えなくなります。
また、管理者権限のユーザーでさえも、ログイン時には標準ユーザーと同じ権限しか与えられず、管理者権限の必要な操作を実行する場合は、以下のワンステップの操作が必要になります。
システムレベルの変更を加える際にはプログラムアイコンのコンテキストメニューから [管理者として実行] をクリックしアプリケーションを実行する必要があります。
その際には管理者のパスワードの入力が求められ、これは Linux における「sudo」コマンド的な仕組みと言えます。

また、面白い試みとして Windows ReadyBoost 機能も搭載されました。
これは高速な USB フラッシュメモリ等をスワップ領域として割り当てられる機能であり、この機能により物理メモリが少ないマシンであっても、大容量の USB フラッシュメモリを接続する事で遅い HDD に比べ、仮想メモリアクセス時のパフォーマンスを向上できるという仕組みです。
そのため同機能を生かすにはより高速な USB フラッシュメモリが必要です。(少なくとも HDD よりは、より高速なストレージデバイス)
なお、転送速度の遅い USB フラッシュメモリでは Windows ReadyBoost を有効にすることはできません。

Windows Vista は上記以外にも多数の新機能、機能強化が盛り込まれた意欲的なバージョンです。
但しその完成形の Windows は次の Windows 7 まで持ち越されます。

公開日時: 2012年09月04日  01:02:17

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