第1回:Windows 95 のリリース前夜の時期を振り返る

対象プロダクト:Windows 95

時代背景

Windows 95 のリリースされた1995年は、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件から始まり、まさに波乱の幕開けでした。

そんな中、PC業界では i486DX2 (66MHz) の CPU を搭載した NEC の PC-9821Cb2 (CanBe) や富士通の FMV-466D3 (FMV-DESKPOWER S) など、ほぼ最後と言える Windows 3.1 搭載のいわゆる「オールインワン」パソコンが発売されていました。

しかし標準メモリは多くが 8MB くらいでした。
この頃は、各社が Windows 95 へのアップグレードキャンペーンを実施していましたが、CPU はともかく、メモリに関しては Windows 95 を使用するには、後から見れば明らかに不足していましたが、Windows 95 のシステム要件は満たしており、当初は標準メモリのまま使用していた方も多いと思います。

英語版のリリース

さて Microsoft 社は、日本語版発売に先立ち、8月25日に Windows 95 の英語版をリリースしました。

Windows 95 は初のコンシューマ向けの 32bit、マルチタスク OS ですが、それだけではなく UI (ユーザーインターフェース) も大きく刷新されました。
このユーザビリティを大幅に向上させた Windows は、その前評判も高く、Microsoft はもちろん、Windows 3.1 ユーザー達の多くが期待していました。

しかし当時は 32bit OS は Windows NT 系 OS が存在はしていたものの、一般にはほとんど普及しておらず、一般的な周辺機器もまだまだ 32bit OS に対応したものは少なく、そのような背景もあり、Windows 95 はノンプリエンプティブな 16bit コードがカーネルモード側で実行される、非常に不安定な、16bit ドライバの互換性との妥協の産物でした。

しかし時代背景として、これが最も妥当な戦略であった事は、Windows 95 のリリース後数週間で明らかになります。

そして1995年11月23日、いよいよ Windows 95 日本語版がリリースされることになります。

公開日時:2011年11月13日 15:19:01

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