第15回:移行を促進させ、汚名を返上した Windows 7

対象プロダクト:Windows 7

Windows 7 の概要

デスクトップ画面


外観は刷新されたものの、動作が重く、メモリ消費量の増大した Windows Vista の不調を受け、Vista から約3年後の2009年10月22日にそれを改善した Windows 7 がリリースされました。

Windows 7 は新 OS というよりも Windows Vista の修正版あるいは完成版とも呼べる OS で、主にパフォーマンスの向上、メモリ使用量の低減に注力されました。
その努力の甲斐もあってか、メモリ使用量が大きく減少し、比較的軽快な OS に生まれ変わりました。
特に DWM (Desktop Window Manager) ではメモリ使用量が半分に、また WDDM (Windows Display Driver Model) 1.1 では GDI の処理がカーネル側 (GPU) に戻されました。

その他、いくつかの機能も拡張、修正されており、Media Center ではデジタル放送に対応しました。

また、Windows Vista の「ユーザーアカウント制御」(UAC) はシンプルになり、より柔軟に設定が行えるようになりました。

更に、インストールメディアに関しては Windows Vista が Ultimate 以外は 64bit 版は郵送だったのに対し、Windows 7 では全エディションに 32bit 版と 64bit 版の両方のインストール DVD-ROM が付属するようになりました。

また、ReadyBoost 機能では、複数の USB フラッシュメモリ (最大8つ) を使用できるように拡張されました。

バックアップ機能は、より使いやすく改良され、ユーザビリティが向上しています。

また、「Aero スナップ」機能の搭載により、ウインドウを上部にドラッグすることで最大化、左右にドラッグすることで画面半分に拡大表示できるようになりました。
更にウインドウをマウスでドラッグして揺する (マウスを細かく左右に動かす) とそのウインドウ以外のすべてのウインドウの最小化/復元が行えます。

以上見てきた通り、Windows 7 は Windows Vista に対して大きな改変はなく、パフォーマンス周りおよびユーザーユーザビリティの向上化に留まり、大きな、抜本的な機能の追加や、拡張、変更はありませんでした。
但しこの完成形の Windows 7 の投入により、Windows XP からの移行が促進された事は、Windows の歴史上、大きな出来事と言えます。

また、それまでのハードウェア性能の向上を前提とした、パフォーマンスを軽視し、機能の追加、拡張のみを目標とした Microsoft の姿勢を正した、OS の位置づけを見つめ直す転換点となった OS とも言えます。
その点については、次のバージョンの Windows 8 でも更に進化することになります。
つまり、より速く起動し、より軽快に動作するという点においては。

Windows 7 のシステム要件

CPU 1 ギガヘルツ (GHz) 以上の 32 ビット (x86) プロセッサまたは 64 ビット (x64) プロセッサ
メモリ 1 ギガバイト (GB) RAM (32 ビット) または 2 GB の RAM (64 ビット)
ハードディスク 16 GB (32 ビット) または 20 GB (64 ビット) の空き容量のあるディスク領域
グラフィック Windows Display Driver Model (WDDM) 1.0 以上のドライバーを搭載した DirectXR 9 グラフィックプロセッサ
光学ドライブ DVD-ROM ドライブ
サウンド オーディオ出力
その他 インターネット アクセス

Windows 7 のパッケージの中身

パッケージのデザインは Windows Vista を踏襲しているものの、材質はプラスチックから紙に変更されており、構造も引き出しタイプと簡素な作りに変更されています。
確かに Windows Vista はパッケージにコストをかけすぎていた感がありました。

パッケージ表

なお、Windows 7 は Ultimate 以外のエディションでも、Windows Vista Ultimate と同様に、32bit と 64bit の両方の DVD-ROM が入っています。
※32bit 版の DVD の下に、64bit 版の DVD が重ねて入っています。
パッケージの中身

公開日時:2012年09月04日 07:36:07

なお、Windows Server VPS選びで迷ったらこちらの記事で主要VPSのメモリ容量ごとの月額、年額料金、リモートデスクトップ(RDS SAL)、Microsoft Office SAL料金を比較していますので、是非参考にしてみてください。

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