第3回:Windows 95 OSR (OEM Service Release) 2.x で追加された機能

対象プロダクト:Windows 95

Windows 95 OSR 2 の概要

OSR 2.x はプリインストール版(OEM版)用のみの Windows 95 のマナーバージョンになります。
OSR 2 では、主に以下の機能が追加されました。

  • FAT32
  • Ultra DMA(バスマスター転送)
  • Internet Explorer 3.0
FAT32 のサポートにより FAT16 では最大パーティションサイズとして 2GB までしか割り当てる事ができなかったのに対し、理論上 2TB までの割り当てが可能となりました。
そのため、当時としてはほぼすべての領域を1つのパーティションとして割り当てられ、大容量ディスクを効率よく使用できるようになりました。

また、Ultra DMA (Direct Memory Access) の対応は、DVD ドライブの普及時期にあたり、DVD ビデオの再生に必要なバスマスター転送を可能にしました。
それまでは、PIO-4 もしくは Multi Word DMA までの対応であり、DVD を再生した場合、映像がコマ落ちしていましが、Ultra DMA の対応により、66Mbytes/s の転送が可能となり、快適に DVD を再生できるようになったのです。
但し、Ultra DMA での転送を有効にするためには、もちろんハードウェア側(チップセット、ドライブ、専用IDEケーブル)の対応も必要となります。

Windows 95 OSR 2.1

OSR 2.1 では、AGP (Accelerated Graphics Port) バスと USB のサポートが追加されました。

新たなグラフィックカード専用のバスである AGP に対応しました。
また、USB ポートのサポートにより、USB ポート搭載マシンが増え始めた時期でした。
なお AGP バスを初めて搭載したチップセットは Intel 440LX、USB ポートが初めて搭載されたのは Intel 430HX です。

Windows 95 OSR 2.5

OSR 2.5 ではシェル統合された Internet Explorer 4.0 がプリインストールされています。

OS、特に GUI の面では、この OSR 2.5 が最も大きな変化をもたらしました。
シェルが刷新され、フォルダを開くたびに新たなウインドウが作成される従来の方式ではなく、ブラウザのように1つのウインドウ内で階層が遷移する現在主流の方式がデフォルトとなりました。
また、ウインドウの右側には関連するリンクやファイルの情報などが表示される機能が追加されました。
OS 関連のアイコン(フォルダアイコンも含め)も刷新されたため、「Microsoft Plus! for Windows 95」をインストールした環境では、初期の Windows 95 の面影があまりなく、実質的には Windows 97 と呼ぶに相応しい程に Windows 95 は変化していました。

そしてこの OSR 2.5 と 「Microsoft Plus! for Windows 95」の機能をほぼ踏襲した形で、次期 OS である Windows 98 がリリースされることになります。

公開日時:2012年01月29日 17:22:29

おすすめの書籍!
Windowsに詳しくなりたい方はマイクロソフト公式解説書である「インサイドWindows 第7版」がお勧めです。Windowsのアーキテクチャや内部構造の仕組み、背後で動作するコアコンポーネント等について詳細に解説されています。「Windows Internals, Seventh Edition」の日本語訳版です。

なお、Windows Server VPS選びで迷ったらこちらの記事で主要VPSのメモリ容量ごとの月額、年額料金、リモートデスクトップ(RDS SAL)、Microsoft Office SAL料金を比較していますので、是非参考にしてみてください。

Windowsの歴史の記事一覧に戻る

「Windows 95」に関する他の歴史記事

このページのトップに戻る