第12回:タブレット市場に先駆けたはずの Windows XP Tablet PC Edition
対象プロダクト:Windows XP
Windows XP Tablet PC Edition の概要
Windows XP Tablet PC Edition はタブレットPC用の OS になり、OEM でのみ提供されました。
Tablet PC Edition (2002) と Tablet PC Edition 2005 の2つのエディションがあり、Tablet PC Edition 2005 のみ DSP 版が販売されました。
ベースとなっているのは Windows XP Professional であり、Windows Journal など、ペン入力に対応したいくつかのプログラムが搭載されていました。
OEM 提供のみである点と、あくまでもビジネス用途を想定した OS であったため、大きな普及には至りませんでした。
のちに大ヒットを巻き起こす Apple 社の iPad と比較すると、両社のタブレットPCに対する発想、思想が明確に異なっていたことがわかります。
Microsoft 社はタブレット市場に期待はしたものの、まずはビジネス、企業への導入に力を入れました。
そのため、ほんの一部のメーカーからしか Tablet PC Edition 搭載モデルは販売されず、対応についても、ペン入力が基本で、文字入力も手書き文字認識に力を注ぎました。
その点、Apple 社の iPhone、iPad は方向性が異なりました。
ペン入力ではなく、指タッチ、手書き入力による文字認識ではなく、あくまでもオンスクリーンキーボードを取ったのです。
もちろんこれは結果論ですが、新たな試みはエンタープライズからかコンシューマからかは、両企業の戦略の最も対照的なところでしょうか。
なお、Tablet PC 機能は Windows Vista (Home Premium 以上のエディション)以降には標準搭載されています。
公開日時:2012年09月04日 00:21:34