Windows Server 2012 を VHD ブートでインストールする
対象プロダクト:Windows Server 2012
カテゴリー:仮想化技術
VHDとは
VHD は Virtual Hard Disk の略です。
Hyper-V の仮想ハードディスクドライブの形式(拡張子vhd)として使われます。
VHD から直接起動することを「ネイティブ ブート仮想ハード ディスク」と呼びます。
この記事では単にVHD ブートと呼ぶことにします。
VHD ブートのメリット
従来の物理ディスクブートに対する VHD ブートのメリットは以下が挙げられます。
- 物理的なディスクを用意したりパーティションを作成する必要がない
- 手軽に複数の OS のマルチブート環境を構築できる
- ディスクドライブのまるごとバックアップ、リストア、移動が手軽にできる
- 複数の OS をインストールしても物理ハードディスク上ではフォルダやファイルが散らからない
VHD ブートのデメリット
逆にデメリットは以下です。
- VHD に対応した OS でマウントしなければ中身を参照できない
- VHD ブートに対応した OS がまだ少ない(Windows 7 Ultimate、Enterprise 以降)
- 物理ディスクに比べるとパフォーマンスが落ちる
- ダイナミックボリュームや休止状態が使用できないなどの制限事項がある
- VHD にインストールした Windows はアップグレードができない
Windows Server 2012 を VHD ブートでインストールする手順
Windows Server 2012 の DVD-ROM から起動し、セットアップ画面が表示されたら Shift + F10 を同時押しし、コマンドプロンプトを表示します。
1. 以下のコマンドで diskpart を実行します。
diskpart
2. 以下のコマンドで disk の一覧を表示すると、60GB の disk 0 があることが分かります。list disk
3. disk 0 を選択します。
select disk 0
4. 以下のコマンドで 60GB のパーティションを作成します。
create partition primary size=60000
※以下のコマンドでパーティションが「Volume 1」として作成されていることが確認できます。
list volume
5. 以下のコマンドで NTFS でクイックフォーマットします。
format fs=ntfs label="VHD" quick
6. 以下のコマンドでドライブレターとして「C」を割り当てます。
assign letter=c
7. 以下のコマンドでファイル名 win2012.vhd、最大サイズ50GB、容量可変の仮想ディスクを作成します。
※安全のために、仮想ディスクの最大サイズは格納先の物理ボリュームよりも小さいサイズにします。
create vdisk file=c:win2012.vhd maximum=50000 type=expandable
※以下のコマンドで作成した仮想ディスクが「仮想ディスク 0」として作成されていることが確認できます。
list vdisk
8. 仮想ディスクをアタッチします。
attach vdisk
※以下のコマンドでマウントした仮想ディスクが「Volume 1」としてマウントされている事が確認できます。
list volume
これで仮想ディスクの作成は完了です。
exit で diskpart を抜けます。
更に exit でコンソールを終了します。
9. Windows Server 2012 のインストールを始めます。
インストール先として先ほど作成した仮想ディスクを選択するのですが、「このドライブに Windows をインストールすることはできません」という警告文が表示されます。
無視してインストールしようとすると、次のようなダイアログが表示されます。
[OK] ボタンで閉じて続行します。
ファイルのコピーが始まりますので、インストールが完了するのを待ちます。
10. インストールが終わり、再起動後、administrator のパスワードを設定し、ログインします。
デスクトップ画面が表示されました。
このように、diskpart で C ドライブとして作成した「VHD」ラベルのディスクはDドライブになり、仮想ディスクがCドライブとなっています。
しかし、Cドライブの実態は、物理ドライブであるDドライブ内に存在しています。
以上で Windows Server 2012 の VHD ブートでのインストールは完了です。
公開日時:2014年02月01日 18:21:45
最終更新日時:2022年02月18日 02:15:03