Windows が自動スリープしない場合の調査方法

対象プロダクト:Windows 11
カテゴリー:トラブルシュート

Windows では電源管理の設定に従い、アイドル状態が一定時間に達するとディスプレイの電源を切ったり、スリープ状態に移行します。

しかし、場合によっては正常にスリープ状態(スタンバイ状態)に移行されない場合があります。

同じマシンにも拘わらず、正常に移行できるときとできないときの違いは何でしょうか?

よく言われるのは音楽を再生していたり、システムメンテナンスが走っていたり、USB機器などの周辺機器が影響している点などが要因として挙げられますが、それでもずっとスリープしないとすれば、やはり自動スリープ機能に何らかの問題が発生している事になります。

Windows 10や11では、モダンスタンバイが用いられ、段階的にスリープ状態(低電力フェーズ)に移行する仕組みになっています。

詳細はMicrosoftサイトのドキュメントのモダン スタンバイ状態などの記事をご参照ください。

きちんと自動スタンバイに入らないのはこのモダンスタンバイの複雑な仕組みにもあるようです。

モダンスタンバイの各フェーズはモダン スタンバイのためのソフトウェアの準備の記事に記載されているように、No-CS フェーズ、接続フェーズ、プロセス ライフタイム マネージャー (PLM) フェーズ、メンテナンス フェーズ、Desktop Activity Moderator (DAM) フェーズ、低電力フェーズと各段階のフェーズを経て低電力フェーズへの移行が実施されます。

モダンスタンバイの各段階(フェーズ)を確認するには、管理者権限でターミナルを開き、 powercfg spr コマンドを実行することで作成されるレポートから確認することができます。(過去3日間のシステム電源移行レポートが生成されます)

以下のレポートでは、2023-09-22 23:18:26 に Screen Off に入っているものの、その後 Standby に移行していないことがわかります。(ディスプレイの電源を切る:15分、コンピューターをスリープ状態にする:1時間)

一方、2023-09-23 08:33:20 の Screen Off 時には、その2秒後の 2023-09-23 08:33:22 に Standby に移行していることが分かります。(こちらは検証のため、ディスプレイの電源を切るとコンピューターをスリープ状態にするの時間を共に1分に設定)

2023-09-22 23:18:26 にディスプレイの電源オフが実施されているため、その本来その45分後(2023-09-23 00:03:26 頃)にスリープに入っていなければなりません。

Top Offenders Top 5 Offenders, ranked by active time には No CS Phase ツリー内の AudioSrv virtual power reference さらに AMDRSServ.exe のサービス名が表示されています。これが悪さをしているのでしょうか。

該当マシンはグラフィックボードに AMD Radeon RX 550 を搭載しているのですが、AMDRSServ.exe はそのデバイスドライバである AMD Software Adrenalin Edition 関連のサービスのようです。AMDRSServ.exe が何らかの理由で電源要求を未処理にできない状態に陥り、No CS フェーズで止まっているのでしょうか。

以上の例のように、上記で作成されるレポートを見てどのフェーズで止まっているかを確認し、その情報をヒントとしてトラブルシュートに役立てる事ができるかと思います。

公開日時:2023年09月23日 08:15:38
最終更新日時:2023年10月02日 03:58:34

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