Windows Vista/7/8/8.1 で「SafeDisc」で保護されたCD/DVDのゲームが起動しない問題

対象プロダクト:Windows Vista 7 8 8.1
カテゴリー:トラブルシュート

問題の概要

CDやDVDベースのゲームには不正コピー防止用のプロテクトプログラムである「SafeDisc」などが主に使用されています。 この SafeDisc は正規品か否かをチェックするために secdrv.sys というデバイスドライバを Windows にインストールします。

しかし、secdrv.sys にはトロイの木馬などへの潜在的なセキュリティリスクが存在することが判明し、Microsoft は更新プログラム 2919355 (MS15-097) において、secdrv.sys を無効化するための修正を加えました。

Windows Vista/7/8/8.1 はこの更新プログラム 2919355 が適用されると、secdrv.sys が無効化され、SafeDisc で保護されたCD/DVDメディアベースのゲームが起動できなくなります。

対処方法

この問題は Microsoft 側も把握しており、下記サポート技術情報にはその回避策が掲載されています。

参考:
[MS15-097] Windows の Graphics コンポーネントのセキュリティ更新プログラムについて (2015 年 9 月 8 日)

方法1

1つは下記のようにコマンドを実行して secdrv.sys を有効化するというものです。

このためには、管理者特権を持つコマンド プロンプトから次のコマンドを入力します。1 つのコマンドを入力するたびに Enter キーを押す必要があります。
ドライバーのサービスを無効にするには、次のコマンドを入力します。sc config secdrv start= disabled
ドライバーのサービスを手動に設定するには、次のコマンドを入力します。sc config secdrv start= demand
ドライバーのサービスを有効にして自動に設定するには、次のコマンドを入力します。sc config secdrv start=auto
ドライバーのサービスを手動で開始するには、次のコマンドを入力します。sc start secdrv
ドライバーのサービスを手動で停止するには、次のコマンドを入力します。sc stop secdrv

方法2

もう一方の回避策はレジストリを変更する方法です。

または、レジストリを直接編集することもできます。これを行うには、次の手順を実行します。
[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。[名前] ボックスに「regedit」と入力し、[OK] をクリックします。
レジストリで次のサブキーを見つけてクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\secdrv
[Start] を右クリックし、[修正] をクリックします。
[値のデータ] ボックスで、次のいずれかを実行します。
ドライバーのサービスを無効にするには、「4」と入力し、[OK] をクリックします。
ドライバーのサービスを手動に設定するには、「3」と入力し、[OK] をクリックします。
ドライバーのサービスを自動に設定するには、「2」と入力し、[OK] をクリックします。
レジストリ エディターを終了します。

コマンドおよびレジストリのいずれの回避策も secdrv を起動するための手順となり、どちらの方法を使用しても違いはありません。

ただ、レジストリを変更することはリスクが伴うため、「方法1」のコマンドによる回避策の実施をお勧めします。

コマンド操作では、sc config secdrv start= auto を実行すると secdrv サービスの起動が自動に変更され、sc start secdrv を実行すると secdrv サービスが開始されます。

sc config secdrv start= disabled
sc config secdrv start= auto
sc start secdrv

→CD/DVDのゲームを実行

推奨する使用方法

但し、そのまま自動起動の状態にしておく場合はセキュリティ脆弱性のリスクが懸念されるため、ゲームの終了後は以下を実行して secdrv サービスの停止および自動起動を無効化しておくと良いでしょう。

sc stop secdrv
sc config secdrv start= disabled

コマンドを手動で実行するのが面倒な場合は、以下の内容の bat ファイルを作成して管理者権限で実行します。

sc config secdrv start= disabled
sc config secdrv start= auto
sc start secdrv

Windows 10 以降の環境について

なお、Windows 10 では Microsoft はデジタル著作権管理システム(DRMシステム)の「SafeDisc」や一部の「SecuROM」をサポートしないことを公式に表明しており、Windows 10 や Windows 11 では現在上記の方法でこの問題を回避できません。 Windows 10 以降では Microsoft は公式な回避策を公開しておらず、非公式な方法で secdrv.sys ファイルを生成して回避する方法はあるようですが、あくまでも自己責任での実施となります。(今後この回避策自体も Windows Update 等で無効化される可能性もあります)

トラブルシュート

「システムに接続されたデバイスが機能していません。」エラーが発生する場合

sc start secdrv を実行した際に以下のように「システムに接続されたデバイスが機能していません。」のエラーで secdrv サービスを開始できない場合は、 secdrv.sys に問題がある可能性があります。

>sc start secdrv
[SC] StartService FAILED 31:

システムに接続されたデバイスが機能していません。

イベントビューアのセキュリティイベントには以下のイベントが記録されます。

ログの名前:         Security
ソース:           Microsoft-Windows-Security-Auditing
日付:            2025/01/25 10:33:55
イベント ID:       5038
タスクのカテゴリ:      システムの整合性
レベル:           情報
キーワード:         失敗の監査
ユーザー:          N/A
コンピュータ:        winbook.local
説明:
コードの整合性によって、ファイルのイメージ ハッシュが有効でないと判断されました。このファイルは、無許可の変更によって破損しているか、無効なハッシュがディスク デバイス エラーの可能性を示している場合があります。

ファイル名:    \Device\HarddiskVolume1\Windows\System32\drivers\secdrv.sys    

問題が発生した環境は Windows Vista でしたが、Windows 7 マシンの secdrv.sys を C:\Windows\System32\drivers に上書き保存することで解消しました。

ちなみに問題の起きた secdrv.sys と成功した Windows 7 の secdrv.sys のプロパティは以下です。

NGのsecdrv.sys
OKのsecdrv.sys

公開日時:2024年06月29日 09:57:24
最終更新日時:2025年01月25日 11:44:58

なお、Windows Server VPS選びで迷ったらこちらの記事で主要VPSのメモリ容量ごとの月額、年額料金、リモートデスクトップ(RDS SAL)、Microsoft Office SAL料金を比較していますので、是非参考にしてみてください。

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