「このデバイスにドライバーを読み込めません」のエラーについて

対象プロダクト:Windows 11
カテゴリー:トラブルシュート

Windows 起動時に上記のような「プログラム互換性アシスタント」のダイアログが表示される場合があります。

プログラム互換性アシスタント(PCA:Program Compatibility Assistant)は Windows のセキュリティ機能で互換性に問題があるプログラムやドライバのレジストリ変更、デジタル署名の有効性などを監視し、もし問題を検出した場合は、その旨をユーザーに通知するサービスです。

エラーの意味と対処方法

上記の「セキュリティ設定により、このドライバーが脆弱なドライバーとして検出され、読み込むことができません。」のエラーは、Windows が脆弱性が含まれるドライバ(今回の場合AsIO.sys)を検出したため読み込みをブロックした事を示すダイアログとなります。

「AsIO.sys」はASUSのマザーボードのユーティリティソフトである「AI Suite3」に含まれるドライバです。ASUSは怪しい会社ではありませんが、Microsoft 側でこのファイルに何らかの脆弱性を確認したためブロックリストの対象となっているのでしょう。Windows でさえ頻繁に脆弱性が確認・修正される昨今、ドライバから脆弱性の1つや2つが見つかることは稀なことではありません。

参考 ASUSはPCやPC関連パーツを製造・販売している台湾の大手メーカーです。このダイアログが表示されたPCもASUSのマザーボードを使用しています。

もちろん推奨される対処方法は、ドライバのメーカー(今回の場合ASUS)が脆弱性対策を講じたドライバをリリースするのを待つ事になりますが、もしどうしても脆弱性のあるドライバのブロックを無効にし、読み込ませたい場合は、以下の設定を変更することで可能です。

  1. [スタートメニュー] > [すべて] から [Windows セキュリティ] を開きます。
  2. [デバイス セキュリティ] > [コア分離] 項目の [コア分離の詳細] を開きます。
  3. [Microsoft の脆弱なドライバーのブロックリスト] を [オフ] にします。

Note もし「AI Suite3」の更新があった場合は、[Microsoft の脆弱なドライバーのブロックリスト] を再度 [オン] にして確認してみるのがよいでしょう。

注意点

今後、このメッセージを表示しない」のチェックを有効にしても、[Microsoft の脆弱なドライバーのブロックリスト] が [オフ] になるわけではありません。単にドライバの読み込みをブロックした旨のダイアログ表示を無効化するだけです。同ダイアログの無効化は簡単ですが読み込みをブロックしたドライバが分からなくなり、再度有効化するためには以下を編集する必要があります。そのため、なるべく「今後、このメッセージを表示しない」にチェックはしないようにしましょう。

方法1. レジストリ

レジストリ エディター(regedit)を開き、以下のキーを念のためバックアップ(エクスポート)の上、同キー内のキーを削除します。

HKCU\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\Compatibility Assistant\Persisted

方法2. ローカル グループ ポリシー

方法 1 で解消しない場合、ローカル グループ ポリシー エディター(gpedit.msc)を開き [コンピューターの構成] > [管理用テンプレート] > [Windows コンポーネント] > [アプリケーションの互換性] の「プログラム互換性アシスタントを終了する」が有効であればを無効もしくは未構成に変更します。(「終了」と訳されていますが英語表記は [Turn off Program Compatibility Assistant])

※「プログラム互換性アシスタント」はデフォルトで有効のため未構成の場合は同機能は有効です

参照元

ポリシー CSP - ADMX_AppCompatの「プログラム互換性アシスタントをオフにする」ポリシー(AppCompatTurnOffProgramCompatibilityAssistant_2)の記述は以下の通り。
このポリシー設定は、プログラム互換性アシスタント (PCA) の状態を制御します。
PCA は、ユーザーが実行するアプリケーションを監視します。 アプリケーションとの互換性の問題が検出されると、PCA は推奨される解決策をユーザーに求めます。 PCA の診断設定を構成するには、System->Troubleshooting と Diagnostics->Application Compatibility Diagnostics に移動します。
このポリシー設定を有効にすると、PCA がオフになります。 ユーザーは、アプリケーションの実行時に既知の互換性の問題に対する解決策を提示されません。 PCA をオフにすると、パフォーマンスの向上を必要とし、アプリケーションの互換性の問題を既に認識しているシステム管理者に役立ちます。
このポリシー設定を無効にするか、構成しなかった場合、PCA がオンになります。 PCA の診断設定を構成するには、System->Troubleshooting と Diagnostics->Application Compatibility Diagnostics に移動します。
名前
名前AppCompatTurnOffProgramCompatibilityAssistant_2
フレンドリ名プログラム互換性アシスタントをオフにする
場所[コンピューターの構成]
パスWindows コンポーネント > アプリケーションの互換性
レジストリ キー名Software\Policies\Microsoft\Windows\AppCompat
レジストリ値の名前DisablePCA
ADMXファイル名 AppCompat.admx

公開日時:2025年01月19日 11:20:58
最終更新日時:2025年01月29日 13:34:45

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